馬はいつもあなたの行動が気になって仕方がない
今までイビキかいて寝ていたのに、気づいたらランランと目を輝かせて隣にいた。
ワンちゃんと暮らしたことのある人なら誰もが経験するこの現象は、馬もまた同じ。
ボーッとしていても下唇ダルダルにして寝ていても、地面にドカンと腰を下ろしてくつろいでいても、常に耳はアンテナを張りまくり。
ちょっとでもこちらが動いたり物音を立てようものなら、これまでの経験から脳内に蓄積されたデータをフル回転させて、その中でもっとも起こりうる最高にハッピーなことを想像して、ワクワクした表情で大注目してきます。
とくにわたしはウマコたちにとっては「ごはんをくれる人」。
ポッケにはつねにニンジンを忍ばせ、手にはカサカサという音のする袋を持ち中から甘いものを取り出す魔法の手を持つ生き物。
ときには両手いっぱいにつる草を抱えて牧場の奥からやってくる。
それが彼らから見た「わたし」という生き物なため、私の一挙一動がとにかく気になるのです。
そしてすべてポジティブに捉えているので、
わたしの行動=自分たちにとってハッピーなこと
と脳内で変換されるため、的が外れたときのガッカリ具合はハンパない。
鳴き損、ヘッドバンギングし損、前掻きし損、それでも諦めきれず、キラキラとした目で見つめてくるので、本当になんにもないときはこちらが申し訳ない気持ちになってしまうのです。
ひと月続いたスイカ、トウモロコシ祭りが終わった今、ウマコたちの視線からいかに逃れるかが、目下頭を悩ませるところなのでした。