馬の反抗期
お客さんにお愛想を振りまき、変顔をしては笑われている白力王ことハクちゃん7歳♂。
今では我が家の癒し系アイドルですが、2年前にフロンティアへやってきた頃は超反抗期でした。
前の家では自由気ままに仲間との放牧生活を満喫していたらしく、秩序を嫌い仕事を拒否し、人とのコミュニケーションも望んでいない、そんなウマコだったのです。
なのでお手入れをしようとすればジロリと人のことを一瞥し、ジリジリと体を寄せてきて、わたしを壁に向かって押し付ける。
300キロ以上の馬体に体重をかけられる地味〜な苦しさにもがきながら、必死に体を押し戻す毎日。
しまいにはブラッシングをしているとワザと足を踏んでくる始末。
本気で馬に踏まれたら骨折することもありますが、そんなことはなく。
地味〜に踏んでくるんです。
ただただ重い。。。そしてどけない。。。
本当に意地の悪いウマコでした。
でもハクにはハクの言い分があったのだと思います。
人間の都合で勝手に生活を変えられて、仲間と引き離され、当時女帝だったシル率いる軍団から洗礼を浴びせられ、突然「遊園地で働こう」なんて誘われてもちっとも嬉しくはなかったはず。
だから反抗するのは当たり前だったのでしょう。
それでもハクは、毎日牧場で一緒にお仕事をする中で、甘え上手のビッグやお仕事をがんばるビバの様子を見て学んでいきました。
※寝てばかりのシルからは人前でも寝ていいことを教わりました。
今では巨体で人を押しつぶすことも、ワザと足を踏むこともなくなり、小さな子どもの手からも唇で優しくニンジンを食べられる穏やかなウマコに成長しました。
人でも馬でもなんでも、反抗期が過ぎれば変わっていく、
そして、馬の場合は人から教わるよりも馬同士で勉強し合うのがいちばんいいのでしょうね。
反抗期がキツめだった分、今の幸せをより強く感じられるのでした。