調教されることを馬はどう思っているのだろうか
馬が人間と共存するにはルールが必要で、そのためにも「調教」は必須です。
そして、我が家のウマコたちの調教はもっぱらボスの役目。
わたしもわたしなりにボスから教わったり本を読んだりそれぞれの特徴を見極めながら対応を変えるなど努力をしていますが、果たしてそれらが調教と呼べるかどうか……
なので、自称「可愛がる担当」に徹しています。
さて、人間にもお勉強好きとダラダラしているのが好きなタイプとがいるように、馬にも調教を楽しむタイプとイヤイヤするタイプとがあります。
調教を楽しむタイプは「好奇心旺盛」「探究心がある」「走るの大好き」。
イヤイヤするタイプは大概運動嫌い。ゴロゴロ寝るのが好きな仔ではないでしょうか。
一概には言えませんが、我が家の場合はそうです。
そして、前者はビバ。後者はハク。
ハクはまず、ボスに乗られるのがイヤ。
じゃあわたしが乗って調教すればいいじゃないか、という話なんですが、前述したようにわたしは可愛がり係。それに加えて、ハクちゃんはとにかくクセが強い。
ズベズベとした足運びなためズッコケやすく、さらに首を斜め左に傾けるクセがあるため、上に乗る人間は上半身と下半身とで真逆の指示出しをしなければならない。
そうならないための調教も必要となると、そんな芸当は到底わたしにはできず、どうしても調教はボスにおまかせになるのです。
外乗ではビバの後ろをペケペケとついていくオートマチックなウマコで、ただ乗ってるだけなら初心者でも安心して乗ってもらえるのですが、ハクちゃんを細やかにコントロールするのは結構上級編なんです。
そんなクセの強いハクちゃんだから調教はとっても大切なんです。
でも、残念なことに運動嫌い。
自分のお仕事はエサやり体験だと思っているため、調教タイムは本当にイヤなようでして。。
超反抗的なお目々で調教をされ始めたと思ったら、最後は死んだ魚のような目をしながら走っています。
一方ビバは運動大好き!
さらに「こうしたらこうなる」というのを経験値からある程度理解しているので、はたから見ると調教も嬉々とした表情で、生き生きと走っています。
そんなビバは、ハクが調教をされている間、彼のことをジッと見つめています。
そして最後には前掻きをし始めるのです。
それはさながら
「自分ならあんなこと簡単にできるのに」
そして超パパっ子なため
「なんでパパはハクにばっかり乗るんだ」
から最後は
「自分もやりたい」
に思考が移り変わっていくよう。
アリとキリギリスに例えれば、ビバは間違いなくアリさんで、ハクちゃんはキリギリス。シルも迷うことなくキリギリス。
放牧していても、草を食べていても、「お仕事しよう」の言葉でピッと顔を上げてキリリとした表情を浮かべる真面目なウマコでもあるのです。
そんなビバの姿には見習うものがあるなあと、遠目からわたしは見ているのでした。