ハクのエサやり体験必勝法
乗馬として我が家へ引き取ったはずのハクちゃんですが、
当の本人は、自分のお仕事はエサやり体験だと思いこんでます。
ミニチュアホースのビッグが生きている頃は、彼がもっぱらエサやり体験の中心でした。
小さくて顔が可愛かったため、「赤ちゃんだからたくさん食べて大きくならなきゃ」と
間違った理由から、誰よりもニンジンをたくさんもらっていたのです。
ビッグがいなくなった今、シルが目下エサやり体験の中心にいます。
すっかり甘え上手になり、小さな子供の手からも上手にくちびるでニンジンをもらい、
なでられればうっとりした顔でじっとしている。
さらにビバやハクに比べるととても小さいので、ヨチヨチ歩きの子供も比較的怖がらずに近づけるのです。
彼女も今は自分がいちばんニンジンをもらえることを理解しているのか、余裕の笑み(のような気がする)を浮かべながら、王者の風格でゆったりとニンジンをもらっているのですが、
その横で必死になっているのが、ハクちゃん。
実は3頭の中でいちばん優しくニンジンを食べることができ、
ニンジン欲しさのあまり身を乗り出すなどがっついたところもないので安全安心なのです。
が、いかんせん隣にシルがいると体の大きさがネックになるようでして。
小さな子供はハクの前まで行くのですが、「こわい〜」と避けられることも度々あるのです。
そんなときはさすがのハクちゃんも必死です。
首をかしげながら、目、鼻、口……穴という穴を最大限に開きながら、圧倒的な圧を前面に押し出してきます。
「フゴフゴ」という音声のおまけ付きで。
その顔のうるささといったら群を抜いていて、大人のお客さんは苦笑しながらもニンジンをくれるのですが、小さな子どもは確実に逃げるのでした。