馬の社会は人間社会以上に厳しい⁉
馬は集団で生活をする動物です。
そして当然のことながら、ヒエラルキーによって成り立っています。
野生の馬の場合はわかりませんが、今まで見てきた乗馬クラブの馬の場合は、オスメスは関係なく、また体の大きさもあまり関係なく、気が強くて喧嘩っ早い馬がやや一目を置かれていました。
このヒエラルキーは案外簡単に上下が入れ替わり、先週ボスだった馬が格下になっているのを目の当たりにすると、「あーケンカに負けたのね」と思うのです。
とても印象的だったのが、30歳近いおばあちゃん馬のこと。
そのおばあちゃんはおそらくアメリカンクリーム。オーナーがいましたが、乗馬を引退してからもクラブに預けられ、大事に飼われていたのです。
愛情いっぱいに育てられてきたのでしょう。自信があり、さらに体も大きく気も強かったため、10頭近くいる馬たちの中のボス的存在でした。
放牧中にニンジンを持っていけば独り占め。近づいてくる馬たちを蹴っ飛ばし、何人たりとも近くに寄せつけない圧を放っていたものです。
それがある日、ニンジンを持っていくと、様子が一変していました。
しょんぼりとした様子で頭を垂れ、こちらを遠くからぼんやりと見つめるだけ。
そのかわりに、それまで彼女がいじめ倒してきた最も若い馬が意気揚々と近づいてきて、あっさりとニンジンをゲットしたのです。
おそらくわたしが来なかった間に下剋上があったのでしょう。
あまりにもおどおどとした様子に、馬社会の世知辛さを感じたものです。
さて、白力王、通称ハクちゃんがフロンティアへやってきたのは一昨年の夏のこと。
同じ北陸県内の個人宅で飼われていたものの、事情があって手放すことになり、縁あって我が家へ来ることになりました。
シル率いるフロンティア軍団(わずか3頭)に最初は馴染めず、牧場内でも3頭の群れを遠目に眺める期間がずいぶんと長く続きました。
近付こうものなら、すぐさま戦隊を組んだシル軍団が威嚇をする。気の優しいハクは応戦することなくただ逃げるだけ。
それの繰り返しの日々が続いたのです。
それは想像を絶するほど厳しいもので、ハクとは誰も目を合わせない。ちょっとでもハクが近寄る気配を見せれば、シルの子分が走ってきて、間近でおしりを向けて蹴り上げる。
目を見開いたハクがこちらへすっ飛んでくる。
人間はその中では無力です。
逃げてきたハクをなでながら、慰めることしかできません。
でもある日、シルの気まぐれで形勢逆転しました。
その様子は明日のブログでお伝えしますね。
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