富山で馬の牧場はじめました

アラフォとアラフィフの中年夫婦が一念発起。東京のど真ん中から富山へ移住。馬の牧場をはじめました

馬との信頼関係を築くのに必要なこと

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馬は穏やか、馬は優しい、馬はおとなしい……

 

これ、すべて人間の勝手な思い込み。

 

だって生き物ですから。

重種は穏やかでポニーは気が強い、とか種類によって性格分けがされがちですが、人間と同じで同じ国籍でも性格も違うし個性もある。

そして、どんなに穏やかで優しい性格の馬でも感情があります。

だから、嫌なことをされれば草食動物だからこそ、身を護るために攻撃をしてくることだってあります。決して怒っているのではないのです。怖いんです。

 

当然、中には元から気の強い馬もいます。

そんな馬は穏やかな性格の馬よりも、不安になったとき、怖さを感じたときに仕掛けてくる攻撃はハードかもしれません。

そして、通常乗馬クラブでは「扱いにくい馬」とレッテルを貼られてしまいます。

 

ただ、低度の差こそあれ、人間に対して攻撃をしてくるときは、馬だけに原因があるとは思えません。

人間側にもたくさんの原因があり、もしかしたら人間が攻撃的な馬に育ててしまったのかもしれません。

人間と馬との間に信頼関係ができていれば、少なくても人に対して攻撃をする馬にはならないのだと思います。

ほかにも、体の調子が悪いときにも攻撃的になることもありますが、この場合は急に触れられるのを嫌がったり、乗られるのを拒んだりと変化が見られるので気づきやすいかもしれません。でも、信頼関係が築けていない場合は、なかなかその原因にたどり着けないことがほとんどでしょう。

 

では馬との信頼関係はどう築いたらいいのでしょうか。

 

メンタルの強さと気の弱さを補う乗馬の技術

 

これがウマコたちと暮らし始めて4年目にしてたどり着いた今のところの答えです。

 

わたしは昔、外乗ではよく道草をされていました。

馬の微かな動きに反応できず、すぐに首を下げられて草を食べられていたのです。

そしてちゃんと明確な指示を出すこともできず、その日の外乗は、永遠と道草をくわれ続けるのです。

 

なぜちゃんと指示を出すことができなかったのか。

乗馬の技術があまりにも低かったことに加え、馬に対して遠慮があったのかもしれません。

決してそれは優しさではなく、気の弱さだったということは、馬を飼い始めてから実感しました。

馬を相手にただうろたえているだけの「気の弱い人間」。

それが当時のわたしだったのだと思います。

 

馬の感情はきっとシンプルです。

そして、人のことをよく観察しています。

「この人は強い人か気の弱い人か」

「自分に嫌なことをしてくる人か優しい人か」

「ごはんをくれる人かくれない人か」

などなど……。

 

馬はそれをちゃんと見抜き、遠慮のある人間や気の弱い人間、怒るのがかわいそうと思っている人間に対しては、間違いなく好き勝手に動く。

これを「ナメられている」と馬世界ではよく言いますが、まさにわたしがそうでした。 

 

ウマコたちと暮らし始めてからもしばらくは、この状態からは抜けきれていませんでした。

馬に対して気が弱いままなのに、怒らなければいけない場面で無理に怒るから、何百キロという巨体が持つ力に当然負けてしまい、まさに身も心もボロボロに。

ウマコたちも、ふだん優しいはずのわたしが曖昧に怒るからおそらく混乱していたことでしょう。

 

だから信頼関係など築けるわけもなく、ボスに怒られたら隠れるところ。ときどき怒ってるっぽいけど全然怖くない安全な人。

きっとそんな風に思われていたはずです。

要は、嫌われてはいないけど、助けてくれる強い人間としては見られていなかったわけです。

 

とくに感受性が強く、繊細なビバはわかりやすく、ボスのことは「怒ると怖いけど、自分を助けてくれる強い人」と認識していて、わたしのことは「信頼に足る人間かどうか」見極めようと、日々穴が空くほど観察されていたような気がします。それもつい最近まで……。

 

忘れられないのが、一昨年の大雪が降った日のことです。

運動させようと乗ったところ、胸元くらいまで積もった雪の中をいくら促しても一向に進もうとせず、拒み続けたのです。

さすがに地面が見えない場所を歩くのは怖いのかな、と諦めてボスと乗り代わると、目を疑いました。

 

豪雪の中に迷いなく足を踏み入れ、雪のトンネルを作りながら歩を進めるではありませんか。

挙句の果てには楽しそうに駆け回っていたのです。

 

その光景を見たときに、わたしは確信しました。

 

どんな馬でも「活かすも殺すも人間次第」なんだということを。

 

あの日の出来事はとてもショックではありましたが、ウマコたちとの関わり方を見直すいいきっかけになりました。

 

今はというと、馬に意味のない遠慮をすることはなくなりましたが、相変わらず上手に怒ることはできません。

その代わり、乗馬の技術は上がり、メリハリのある乗り手にはなれたと思います。

それはイコール、指示を出す人間に迷いがない、ということに繋がり、ビバにとっても昔よりは信頼できる人、として認識されているのではないかな、と思っています。

果たしてビバはどう思っているのか、いつかまた、大雪が降った日にでも聞いてみたいと思います。

 

 

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