馬のおねだり

 

ワンコはなにかをねだるとき、訴えるとき、自分の感情を人間に伝えるために想像をはるかに超えるアピールをしてきます。

誰もがイチコロにならざるを得ない上目遣いだったり、片手スリスリだったり、完全なる下僕ですといわんばかりのお腹見せだったり……。

たいがいそれらのアピールをされると苦笑しながらも、言いなりになってしまいます。

さて、馬は場合は、というと。

要求度の高さはワンコも顔負け。

鼻でこずく、甘がみする（よくないっすねー）、首振りする、鳴く、前かきする、様々です。

いずれひとつずつご紹介しますが、もっともわかりやすいのは前かきと首振りではないでしょうか。

前かきはその名の通り、前の足で地面をホリホリしてアピールする仕草のこと。

そして、うちのウマコたちは比較的蹄が丈夫な種類のウマコでもあり、蹄鉄と呼ばれる足にはめる鉄を履かせていません。なのでホリホリしすぎると前の蹄がかけてしまいます。ただ、うちのウマコたちはあまり前かきは多くない方ではないでしょうか。

ではどういった方法でアピールするのか、というと。

まずはシル。彼女のアピールはものすごく静かなんです。

ただただひっつきまわるだけ。

鳴きもしない、あばれもしない、ただただまとわりつき「あたしはここにいる」アピールをし続けます。そしてなかなかもらえないと、ニンジンなど「なにか」をもらっているであろうほかのウマコに攻撃をしかけます。。。よくやられているのはハク。彼女の手下でもあるビッグもよくやられてたなぁ。。

 そしてビッグは自分が小さくて可愛い、ということを熟知しています。なので、無駄な努力はしません。せいぜい舌をベッと出すくらいでしょう。それだけでにんじんをたくさんもらえることをわかっているのです。

ハクちゃんはというと、アピールはお目々を見開きブヒヒ匕と鳴くぐらいでしょうか。

色素の薄いお目々なため、ふだんは直射日光が苦手で薄目なんですが、このときばかりは超デカ目。

そしてそしてビバ。ビバは営業中はとくに乗馬係。なのでめったににんじんをお客さんからもらうことができないため、チャンスがあればここぞとばかりにアピールします。

その仕方は、というと、高速首振りブンブンです。

始めはゆったりと、徐々にスピードを上げていき、やがて首がもげてしまうのではないだろうかというくらいブンブンしながらアピールします。

そして、覚えたのが

「ちょうだいは？」

の言葉です。

この言葉を聞けば高速ブンブン、即にんじん。

彼なりのアピール法で日々、にんじんをゲットするのでした。

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