馬は草以外の食べ物も好きなのかどうか

ごはんにお味噌汁が人間にとって主食だとすると、馬にとっての主食は草です。

そして、草であればなんでも食べる、というわけではなく、自分にとって害となる草は器用に避けます。

さらには草の中でもクローバーなどのマメ科や麦科の植物は大がつくほど好物。フロンティアでは冬季、友人の休耕田を利用して、えん麦とイタリアングラスを栽培して与えていますが、鼻を鳴らすほど喜んで食べています。

ただこれらはとても栄養価が高いため、恨めしい顔をされようがなんだろうが、食べ過ぎには注意しています。

さて、ではニンジンなど草以外の食べ物は馬にとってなんなのでしょう。

おそらく「おやつ」なのだと思います。

なので、ニンジンのほか、水分をたっぷりと含んだお野菜や甘みのある果物、さつまいもなどのイモ類なんかはよだれが出ちゃうほど好き。

与えすぎると太るのでよくありませんが、朝食でわたしたちが食べる果物のおすそ分けをこっそりあげながら、母に内緒で犬におやつを与えていた実家の父もこんな気持だったのかなあ、などとしみじみと思うのでありました。

ところで、競馬馬や海外の乗馬クラブでは、昔から馬に角砂糖を与えています。

そして、最近日本でもお砂糖をあげる人が増えていると聞きました。

しかも白砂糖よりも体にいいからなのか、黒糖をあげているのだとか。

国産の黒糖なんか高価なもの。なんとも贅沢なおやつです。

うちではそこまでハードな運動をさせているわけではないので、あげたことがありませんでした。

そんな我が家のウマコたちがお砂糖デビューしたのは、つい先日のこと。

フロンティアに初めて外乗で遊びに来てくれたお客さんが、外乗後にご褒美としてウマコたちに黒糖をくれたのです。

みんな最初はおっかなびっくりでしたが、一口なめたら昇天した顔でずっとお口をモゴモゴモゴモゴ……。よほどお気に召したようです。

ただ、シーちゃんだけは一口で食べたと思ったら、まさかの「ペっ」。

能面のような顔で黒糖を吐き出すシーちゃんを見て、馬にも好き嫌いがあるんだなあと改めて実感したのでした。

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