小さな馬だからつい甘やかしてしまうのです
我が家のシルは馬とは思えないほど人にベタベタとくっついてきます。
放牧中でもなんとなくそばにいたり、馬小屋にいるときにこちらが入ると、体の一部をわたしにペタリとひっつけてくるのです。
顔を寄せれば舐めてくる。どちらかというと大きなワンちゃんといるような気になるときがたびたびあります。
なので、馬はどちらかというと適度な距離感を保つほうがストレスがかからないと言われてますが、シルにはまったく当てはまらないのです。
さて、シルのこれらのスキンシップの大半は甘えている、のだと思います。
ハクのそばに繋いでいるときも、ハクに寄り添っているので「人(馬)恋しい」タイプなのかなと思うのです。
それ以外には、ときどき顔をこすりつけてくるときがあります。
こんなときは「かいて」という要求のしるし。
耳の裏や耳の穴(大好き)、たてがみ、鬣甲(きこう)をガシガシワシワシとかいてやると非常に喜ぶのです。
そしてシルからもお返しと言わんばかりに唇でのグルーミングが施されようとしますが、そこは阻止。
馬同士では気持ちがよくても人間にとっては馬のグルーミングは少々痛みを伴うため、やんわりとお断りし、シルの要求にのみ答えるのです。
ただ、この要求がエスカレートすると、おしりをかけと言われます。
気分的にその要求にすんなりと答えると「下僕感」満載になる気がするので分からないふりをすると、おしりをこちらに押し付けてスリスリとすりつけてくるではないですか。
これにはさすがにハッキリと拒絶をするのですが、最終的にはシルの気持ちのいい顔が見たいがあまりにかいてしまうアホな飼い主です。
でもこれは、あくまでもシルが小さな馬だからです。
大きな馬がこのような要求を人間にしょっちゅうするようになれば、いずれケガする可能性もあるし、関係のバランスが崩れてしまいかねます。
でもシルは小さいので、ついつい甘やかしてしまうのです。
ダメだとわかっていても、気が強く喧嘩っ早く愛想のなかったシルが、お客さんに可愛がられる女の子に育ってくれたので、彼女にとってはこれはこれでよしとしよう、と自分都合に納得しています。